読書の記録109 フレドリック・ジェイムソン/アメリカのユートピア スラヴォイ・ジジェク 編 書肆心水 2018/08/25
現在、私が読んでいるフレドリック・ジェイムソンの「アメリカのユートピア」は国民皆兵制にして二重権力を企てる、という構想が書かれてある。 本書を読むと「革命への志向」が衰えていないことに驚き、ただただリスペクトする。そして、リベラルだとか右派だとかといったレッテルから物事を見ることしかない日本の「政治をめぐる言論の貧困」に嘆息せざるを得ない。
そして、本書に収録された柄谷行人の「日本のユートピア」はフレドリック・ジェイムソンの「アメリカのユートピア」への批評であるが、なんと、柄谷は、ジェイムソンの「国民皆兵制」と「憲法第9条」の両輪が動いて「世界同時革命」が起きる、と主張している。
柄谷の「日本のユートピア」を読むだけでも本書は読む価値がある。