読書の記録52 ビギナーズ資本論 マイケル・ウェイン 著 チェ・スンギョン イラスト 2018/04/29
柄谷行人は、剰余価値は労働者が自ら生み出した労働生産物である商品を労働者が買い戻すことにより生まれる、と述べているが、買い戻して生まれるのは、利潤であるのだが・・・・。
剰余価値とは、労働者が必要労働時間以上に労働力をアウトプットして生産手段に付け加えて産んだ、まさに、「剰余」である。
それは、その「剰余」に価値が認められうる、という形態である。
その「剰余」に価値を認められうるから、「剰余」はマネーゲームの原資として価値の暴走が起きる。
つまり、価値が、資本論の重要なキータームである。
その「価値」を中心に本書は記述される。
本書は、柄谷行人のような「マルクス」への新解釈はせずに、資本論の理論そのものに沿って、資本制社会そのものを「批判」する。
ちなみに、柄谷がよくやるような「エンゲルス」への反感は本書にはない、また、多くの資本論読み手がいうような、資本論第2巻、第3巻はエンゲルスの改竄ではないかというような「陰謀」も語られず、「マルクス思想」に迫る。