読書の記録121 経済学の95%はただの常識にすぎない ハジュン・チャン 著 東洋経済新報社 2018/09/16
1963年生まれの韓国紙出身のケンブリッジ大学で現在は開発経済学の教鞭を執るハジュン・チャンの経済学基本書である。
著者は、経済学の学派は9もあり、ひとつにこだわるのは、認識が誤る、という考えである。
また、著者は、実証科学に精神に忠実であり、経済成長ができた1950年から1970年ごろは、富裕層や企業へ重税をかけ、規制がもっとも強かった時代だ、と述べ、規制緩和論者、新古典主義のでたらめを見破る。
また、貿易均衡のリカードへも批判しており、これぞ、21世紀の「経済学批判」である。
そして、本書を読めば、わかるが、著者の深い教養に裏打ちされたー経済学の書物で「百年の孤独」のタイトルを見るとは思わなかった。そして、グラムシにも言及などー論は、引き込まれる。
現在アジアの知的人物を代表するといってよい。