読書の記録 2018年09月の記録
9月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:3945
ナイス数:17
自分を傷つけてしまう人のためのレスキューガイドの感想
ポイントは自傷している人を責めてはいけない、である。 私もそうします。
読了日:09月26日 著者:
関係の病としてのおとなの発達障碍の感想
本書は、発達障碍に対するフロイト的アプローチだと僕は捉えます。 乳幼児期の親子関係が、発達障害を形成する、という考えはまさしくフロイトといっても過言ではありません。 著者曰く、発達障碍の脳が機能障害だとしても、自生してすくすく育つことはないので、親などをはじめとした人間関係の中で脳は作られ、そして最新科学の知見である遺伝子もまた環境で変わる、という説を入れて、「関係の病としての発達障碍」という概念を打ち出しています。 発達障碍は脳の機能障害説に思いこんでいる人にぜひ、読んでほしいです。
読了日:09月26日 著者:小林 隆児
自閉症の脳を読み解く どのように考え、感じているのかの感想
自閉症スペクトラムの人が職場で気をつけたいこと、として、著者はアドバイスを書いています。 「言い訳をしない」「人と仲良くする」「感情をコントロールする」「マナーに気をつける」「自分自身ではなく仕事を売り込む」「指導者を活用する」 当事者本人でもある動物学博士の著者からそう書かれると、納得できます。 本書で著者は、自閉症スペクトラムは、画像で考える、言語・事実で考える、パターンで考える、と三項目にわけ、それぞれ、向いた仕事を挙げています。 とても参考になります。
読了日:09月23日 著者:テンプル・グランディン,リチャード・パネク
革命論集 (講談社学術文庫)の感想
稀代の戦略的革命家・アントニオ・グラムシ。 グラムシは、ムッソリーニ台頭初期からムッソリーニの危険性を批判していた。 そのことがいかに鋭いか、なぜなら、ムッソリーニは、当初は社会主義者として注目されていたのだ。だが、グラムシはその知的誠実さにより、ムッソリーニを批判する。 そして、ムッソリーニが政権を握り、投獄されてしまう。
読了日:09月23日 著者:アントニオ・グラムシ
ケンブリッジ式 経済学ユーザーズガイド: 経済学の95%はただの常識にすぎないの感想
著者は、経済学の学派は9もあり、ひとつにこだわるのは、認識が誤る、という考えである。 また、著者は、実証科学に精神に忠実であり、経済成長ができた1950年から1970年ごろは、富裕層や企業へ重税をかけ、規制がもっとも強かった時代だ、と述べ、規制緩和論者、新古典主義のでたらめを見破る。 そして、本書を読めば、わかるが、著者の深い教養に裏打ちされたー経済学の書物で「百年の孤独」のタイトルを見るとは思わなかったー論は引き込まれる。 現在アジアの知的人物を代表するといってよい。
読了日:09月16日 著者:ハジュン チャン
新しいインターナショナリズムの胎動-帝国の戦争と地球の私有化に対抗しての感想
9.11ツインタワーテロ事件当時に書かれた時評集、革命論集。 当然、ジョージ・W・ブッシュやドナルド・ラムズフェルドへ糾弾調の批判である。 そして、マイケル・ハートやアントニオ・ネグリへも厳しい。 さらに、ポスト構造主義のドゥルーズへも厳しい。 古典左翼によるグローバル資本主義への対抗戦略論だ。 硬派なフランス人左翼の熱い本だ。
読了日:09月16日 著者:ダニエル ベンサイド
これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)の感想
功利主義批判、そして功利主義に変わりうる政治哲学としてのカントやジョン・ロールズの分析的紹介。さらに西洋政治哲学の淵源であるアリストテレスの政治についての考えである「善き人になることが政治の目的」をカントやジョン・ロールズを斥けていることを述べる。 政治哲学を現代の諸問題に照らし合わせ、批評する。 私は、ジョン・ロールズを読みたくなった。
読了日:09月09日 著者:マイケル サンデル
西洋哲学史: ルネサンスから現代まで (ちくま学芸文庫)の感想
ルネサンス哲学のニコラウス・クザーヌスから現代哲学のサルトルまで哲学の500年を辿る。 手元に置いておきたい本ですね。
読了日:09月07日 著者:野田 又夫
発達障害とはなにか 誤解をとく (朝日選書)の感想
本書は、発達障害は、脳を基盤とした精神疾患と定義する。 その定義は、脳の機能障害と微妙にニュアンスが違う。 そのニュアンスの違いがわかるかどうかが、人権感覚に鋭いかどうかである。 人権感覚が本書の主題ではないので、この話題はここでやめる。 私は、本書を読み、自分が正真正銘のADHDと理解できた。 それも、先程書いたニュアンスならではのものだ。
読了日:09月06日 著者:古荘純一
内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力の感想
本書は、コミニュケーションで悩んでいる方向けですね。 コミニュケーションが巧みに見える「外向型」は「リーダーシップ」や「雄弁」だけはあるもののその仕事の中身がわかってない場合が多い、ということだ。結局、部下は振り回される。 だが、コミニュケーションが巧みに見えない「内向型」は謙虚で誠実なので、信頼性は高いということだ。 コミニュケーションとは「リーダーシップ」や「雄弁」ではないのだ。
読了日:09月05日 著者:スーザン・ケイン
福祉が壊れる (幻冬舎ルネッサンス新書)の感想
著者自身、吃音者であり、福祉に30年携わってきた福祉への憤りの書物。 第五章吃音者への排除が高まっていく、は当事者ならではの熱い怒りに満ちている。 この本は面白い。
読了日:09月02日 著者:杉山 博昭
高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学の感想
これは役立つ! 前書きに推薦のような形で山形浩生も絶賛している。 本書を読めば、財政赤字だから社会保障削減がいかにデタラメかわかる。 単純な話なのだ。税収を上げるか国債を増やすかの話なのだ。 本書を読んで以上んことが私は感想として浮かんだ。
読了日:09月01日 著者:菅原 晃
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