本書は、発達障碍に対するフロイト的アプローチだと僕は捉えます。
乳幼児期の親子関係が、発達障害を形成する、という考えはまさしくフロイトといっても過言ではありません。
本書には、フロイトの名前が出てきませんが、フロイトから始まる精神療法の見方で書かれてあります。
著者曰く、発達障碍の脳が機能障害だとしても、自生してすくすく育つことはないので、親などをはじめとした人間関係の中で脳は作られ、そして最新科学の知見である遺伝子もまた環境で変わる、という説を入れて、「関係の病としての発達障碍」という概念を打ち出しています。
発達障碍は脳の機能障害説に思いこんでいる人にぜひ、読んでほしいです。