読書の記録11 チャブ オーウェン・ジョーンズ 著 2018/02/01
こんにちは、50にしてADHDの診断を下されたひでひでです。 読書の記録11です。
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本書を読むと、日本も英国も、資本主義の矛盾としての「失業」「貧困」が、政権党の政策の失敗であることが、共通点として、うかびあがる
失業は何より「階級問題」だ、と著者は明確に述べる
本書は、第5章で明確な「労働者階級」の定義をする。
著者は、右傾化した労働党のニール・キノックの労働者階級とは、労働力を売るほかない階級だと、右傾化したわりには、マルクスの定義通り語るキノックの言葉を引用しつつ、検証的な批判をする。
大学教授も他人に労働力を売るほかない労働者階級だろうか、と。
ちなみに、副題に弱者と書かれてあるが、それは、弱者ではなく、労働者階級、なのだ。正しく、労働者階級と書かなくてはならない。
本書によると、英国の左派も階級政治からアイデンティティ政治へ鞍替えした、とある。
日本もそうだが、おかしなことに、日本では、小池百合子がアイデンティティ政治の先頭を切ろうとした。
本書は、バス運転手、清掃員、スーパーのレジ係がいなくなると社会は困るが、広告会社の重役、経営コンサルタントが突然いなくなっても困らない、むしろ、改善されるだろう、と断言!
本書は、左派は海外での不当な戦争に反対するのもよいが、労働者階級の喫緊の問題に対処すべきだ、と訴える。
私も同じ意見である。
久しぶりに、スカッとした読み物だ。
労働者階級必読書
読書期間2018/02/01~06