2018-10-26 読書の記録139 時代が締め出すこころ 青木省三 著 岩波書店 2018/10/26 本書に書かれてある日本の広汎性発達障害に対する過剰な関心は、異質な人間を認めようとしない日本社会にあるのではないか、という指摘に私は納得した。著者の医師は、ヨーロッパの精神科と交流したら、広汎性発達障害はヨーロッパでは教育、福祉の分野であり、医療では対応していない、ということから、先の説を仮定している。 精神疾患が治れば良いというものでもない。その精神疾患の主たる要因が環境にあるとすれば、その環境を直さないまま、またもとに戻すのは、本人には辛いことであろう。 味わい深い文学のような本です。