読書の記録59 発達障害と呼ばないで 岡田尊司 著 2018/05/18
本書によると、ADHDは原因遺伝子を刺激した結果ということである。つまり、養育環境が大きい。
確かにそう言われると、我が実家の父は、僕の原因遺伝子を刺激した、と思えてきたw
本書によると、ADHDは肥満と同じで、つまりは、環境が決めているのだ、ということだ。
肥満も、遺伝性より環境ですからね。
本書は、軽症発達障害を非定型発達と呼び、それぞれの特性を伸ばす教育を提案する。
私が「非定型発達」という言葉に感じたのは、希望へ向かう提案だということだ。
そして、多数派でしかない定型発達から外れているからといって、障害とまで呼ぶのは?と疑問を呈している。
著者の岡田氏は、少年医療刑務所の勤務経験もあり、その施設で出会った少年との交流もエピソードとして挟まれ、とてもハートフルな仕上がりにもなっている。
発達障害は、遺伝子、脳の器質と思い込んでいる人こそ読んでほしい一冊である。
本書によるとジョブズも養育環境が不安で愛着障害で、見た目はADHDそのものだが、ジョブズには現金なところがあり、ある学校の先生がジョブズが良い成績をとったら報酬を出して、ジョブズを成長させた。視覚空間型は職人タイプになりやすい。
日本の教育は、官吏養成所のようなところだから、職人タイプの視覚空間型は、どうしても、劣等感を持ちやすい。日本の現在の本質的な問題はその職人タイプが若くなるにつれて、その日本の官吏養成所教育で、育っていないことなのだ。
ある子供を、発達障害としてその枠に押しこめるのではなく、むしろ、特性を伸ばすには、親や教師、支援者の「愛着」が最も大事だと説く本書は、未来を切り開く一冊であることは間違いない。