読書の記録49 資本主義はどう終わるのか ヴォルフガング・シュトレーク
本書は、今後、テクノクラートが民主主義的制度を破壊する法案を通過させ、一方では国粋極右政党が次々と現われ、市民たちは、両者に挟まれ、極右政党を支持するだろう、と述べている。グローバル化した市場社会に負けた社会民主主義に見捨てられると感じているからである、と述べている。
この現象は、先進国共通の現象としてすでに現実化している。
ヒラリーを見限り、トランプへ投じた労働者はまさに「グローバル化した市場社会に負けた社会民主主義に見捨てられると感じているからである」である。
それはEUもそうだ。英国は、EUから脱退することで、「グローバル化した市場社会に負けた社会民主主義に見捨てられると感じているからである」を示したのである。
日本は、本来保守党でしかない自民党が延命のため、国粋極右政党と化したが、首相の公私混同ぶりがはなはだしく、自民党は軌道修正を迫られるが、野党への政権交代があるとも考えにくい。
つまり、本書のように「社会」を眺めることが、多大な幻滅を味わなくて済む。