読書の記録98 あなたの体は9割が細菌 アランナ・コリン 著 河出書房 2018/08/02
ヒトの遺伝子は約21000。その数はみじんこより少ない。
本書は自閉症は腸内細菌のバランスが崩れたからではないか、と述べている。
実例として、破傷風菌が脳に感染した子供の破傷風菌を抗生物質で治療したら、自閉症特有のその症状は消えたのだ。つまり、ある細菌が暴走したからではないか。
とすれば、自閉症は脳の先天的な機能障害だから治らないという説は間違いであり、それは治るのではないか。
自閉症は治る。本書を読んで私は確信した。
自閉症は人間に棲息する微生物の動きが原因だからだ。
であれば、その微生物のバランスを調節すれば良い。
これは不思議な話ではない。
その実験は医学会では進行中である。
そして、神田橋條治は、本書を知っているか知らないが、神田橋條治は、漢方薬が自閉症に効くのは、漢方薬が微生物が食べてまた吐き出すからだ、と微生物に注目している。
であれば、カウンセリングだとか精神薬とは何なのか。
確実に言えるのはカウンセリングは全く無意味な行為なのだ。
胃腸と同じ臓器である脳になぜカウンセリングが効くのか。効くなら胃腸にもカウンセリングが効いても良いではないか。
肥満は単なる過食ではなく、エネルギー調整の不具合による病気ではないか、と本書は仮説を立てている。
ほかに、私が気に留めた部分は、食事を改善するといっても狩猟採集まで戻る必要がなく、曽祖父くらいの世代の食事を復元すれば良いという箇所である。
現実的な説を立てている。