読書の記録135 不平等-誰もが知っておくべきこと ジェームズ・K・ガルブレイス 著 明石書店 2019/10/15
ジョン・K・ガルブレイスの息子のジェームズ・K・ガルブレイスは、「一般的には右翼のクーデターの直前には不平等が縮小し、その後に拡大しているようである。」と指摘している。ちなみに1973年前後のチリがそうである。この指摘は私にとって重要だ。 これは日本では自民党長期政権なので当てはまらないと見えるが(なぜなら右翼がずっと長期政権していたようなものだからだが)、自民党は、それほど平等でもない日本社会を上からの右クーデターを、中曽根、橋本行政改革、小渕、森元首相、小泉、安倍第一次政権、麻生、による度重なるクーデターをおこし、民主党政権によりそのクーデターを止めようとし、だが安倍第二次政権により「一般的には右翼のクーデターの直前には不平等が縮小し、その後に拡大しているようである。」という政治が続いている。
私は本書を読んでそんな感想を抱いた。
ほか、本書は鋭い指摘をしている。
本書は、世界一金持ちはビルゲイツは本当だろうか、とスリリング(でもないかw)な問いをしている。
アメリカでは資産開示は求められるから、資産がわかってしまうし、ビル・ゲイツはほとんどは株で所有している。一度に売り払えば株は下落していくのだ。
そして、資産開示をしていないアラブの石油王やろしあの略奪する富裕層がビルゲイツより金持ちではないか、と疑問を投げかける。
経済学の系譜をたどりながら、不平等について鋭い指摘を投げかける。
その鋭さは、実は戦争は国が平等であればあるほど、勝っているという実証データをもとに主張する。