読書の記録76 新版・障害者の経済学 中島隆信 著 2018/06/18
著者自身、脳性麻痺のお子さんをもった経済学者の経済学的な視点で切り取る障害者問題です。
就労継続支援AとBが訓練期間が定められていないこと、障害者雇用促進法は、障害者を雇う余裕がない中小企業は法定雇用率を達成できず、中小企業から障害者雇用納付金が独立行政法人 高齢・障害者・求職者雇用支援機構の財源となり、その財源から、法定雇用率さえ実現さえすればよい、と考えている大企業へまわってしまっている、中小企業から大企業へお金が回ってしまっているのと同じだ、という指摘など、目から鱗の本です。
また、事業倒産が頻発する就労支援A型は給付金と賃金の差がA型事業所の収入になっていることが、市場で稼ぐ、ということになっていないとも指摘している。
障害者雇用に興味がある人は必読です。