安倍自民党を保守ではない、と頑強に否定したがる「保守層」は過去の自民党長期政権を美化している
安倍自民党を保守ではない、と頑強に否定したがる「保守層」は過去の自民党長期政権を美化している。
当時、確かに経済成長が進み、一億総中流のような状態になった。
だが、当時先進国はどこも経済成長をしていた。そして日本以外の先進国は福祉も充実していた。だが、経済成長著しい日本は貧乏国だから、という愚にもつかない言い訳を述べて福祉を無視した。
そして1976年日本は福祉元年。だがその年はOPECからの反撃があり、日本も含めた先進国はオイル・ショックで経済沈下。1977年、前年の福祉元年をあざ笑うかのように自民党の福祉路線が決まる。それは現在に通じる「家族主義」である。自己責任路線である。
つまり、自民党はもともと、現在の「安倍政権」に通じる体質があり、それが拡張されなかったのは、労働者や労組や左派政党が今よりも強かったからである。
日本が一億総中流であるかのような状態は1995年日経連の新時代の日本型経営宣言の前であり、当時は正社員雇用がほとんどであり、そして、本来、国家が行うべき福祉を企業が肩代わりさせられた。産別労組ではなく企業別労組の日本では企業間の「福祉格差」はあったのである。