読書の記録81 日本人のための英語学習法 松井力也 著 2018/06/25
本書は通常の文法書ではわかりにくい英語そのものの存在論的な説明。
日本語は関係性だが、英語はモノそのものの絶対性である、その日本語と英語の違いが日本人が英語を遠ざけている一因でもあり、習得の困難さの原因でもある。
ちなみに、give up のネイティブ英語人のとらえ方は、放り出す、というイメージであきらめるということだ。おお、私の年来の疑問が氷解した、
give up とは、放り出す→あきらめる、なのだ。
だが、本書は、英語を英語で理解する、とか、英語をネイティブ感覚で学べばすぐ英語は身につく、といったまがいものではない。
ラディカルに「英語」を「日本人」が、これはこうなのではないか、と考え、その考えでいけば、人称代名詞の格変化、動詞の語形変化、前置詞、などが、日本人に腑に落ちるように説明した画期的文法書である。
本書で、英語学習もgive up しなくなるだろう。
ちなみに、著者は大学時代はロッキング・オンで音楽レビューに健筆をふるっていたということで、その関係で、岩谷宏の「にっぽん再鎖国論」を本書で紹介している。