読書の記録48 オープンダイアローグとは何か 斎藤環 著 訳 2018/04/20
治療者から尊重されていないと患者が感じるから病気は治らない、と書かれてある。
つまり、妄想も尊重して私たちは受け止める必要がある。
オープンダイアローグを取り入れたケロプロス病院は、治療側のスタッフ間まで、人間関係が良くなってしまった。
オープンダイアローグという対話における心理療法は、ミハイル・バフチンの理論から触発されて生まれた。その発生が、ポリフォニーではないのか。
オープンダイアローグでは「保険」として薬物投与がされるだけで、オープンダイアローグで事態が良好であれば使われない。その薬物投与を使わない心理療法が統合失調症で成果を上げているから、著者の斎藤環は驚いている。
なぜなら、統合失調症とは、しかるべきエビデンスに基づいた薬物投与をせずに、統合失調症の患者が死んでしまう、とか、病気が悪化してしまえば、担当医師は法的責任を問われるからである。そのような統合失調症で薬物投与なしの対話療法で確実に成果を上げているのが、オープンダイアローグである。