読書の記録18 イギリス人アナリストだからわかった日本の「強み」「弱み」 デビッド・アトキンソン 著
本書は、端的に、日本の生産性の低さは、トップがダメだからだ、と指摘している。
そして、日本はその潜在的な力を出せていない、とOECDのデータから、判断し、それはなぜか、となると、トップがダメだからだ、ということだ。
日本の経営者は、なんと、銀行の頭取さえ、数字が頭に入っていないくらいのレベルであることも、著者は、アナリスト体験の事実から指摘する。
本書の素晴らしさは、内容もさることながら、わかりやすく書いてあるので、読者の思考が促されることだ。
日本の戦後経済成長は奇跡でもなんでもない、と著者は述べる。理由は、人口が増えたから。人口が増えれば、経済成長つまり、GDPという規模の数字を示すだけにすぎない経済指標は上がるのであり、それは、個々の人間の生産性が低くても実現できる。それは、いまは中国やブラジルなどのBRICsだとも著者は述べ、先進国でなくても、経済大国は、できるがBRICである。
本書によると、日本人は理数系は、woolly thinkingの日本人が得意な分野。なぜなら、woolly thinking がないから。
その箇所を僕が読んで感じたのは、理数系は、その中にはいりさえすれば安全だからではないか。文系は、そういかないからね。
つまり、日本人は、社会に関わりたくないのだ。