読書の記録16 いかに世界を変革するかーマルクスとマルクス主義の200年
マルクスとマルクス主義全体の歴史を、マルクスの文献から主義者の文献までの内容へわけいりながら、マルクスとエンゲルスの知的世界を描き出す90代のホブズボウムが書いた大作。
監訳者の水田洋も90代。
これは、偉大な本です。
この本こそ、「マルクスの偉大さ」というタイトルにふさわしい本である。
カール・マルクスがいかに世界に、とりわけ、ヨーロッパの知的層に激震を与え、伝播したのかを、膨大な史実から跡付ける。
固有名詞が、多すぎる。
つまり、それだけ、マルクスが与えた影響を物語る。
とりわけ、著者が、最も重きを置いているマルクス主義の思想家がアントニオ・グラムシである。
しかし、残念ながら、日本のマルクス主義については、宇野弘蔵すら触れられない。少し、それには私は不満を抱いたが、西欧マルクス主義の受容史として読めば、その不満は解消できる。
マルクスに関心のある読者は必読書である。
読書期間 2018/02/28〜03/06