読書の記録15 教養としての社会保障 香取照幸 著
本書は、日本国の社会保障制度について、意義、理念、成り立ち、歴史などの説明書である。
社会保障入門書である。
著者は厚生省に入省後、様々なキャリアを遍歴し、「社会保障・税の一体改革」を取りまとめた元・官僚である。
社会保障の実務に携わってきた専門家の社会保障についてのガイドブックとも言える。
本書を読み、初めて知ったが、日本国の社会保障は、昭和25年に発表された社会保障制度審議会勧告に明確に示されている。
その文章をまるごと、このブログには書かないが、その審議会で示された方針は、国民の自助をベースに、共助、公助と、上がっていく仕組みである。
国民の経済的・精神的な自立を支えるためにも、社会保険制度が、基礎になるのである。
日本国の社会保障の方針が昭和25年に決まっており、その方針から、現在の社会保障の歪みもまた見えてくるのだ。
ちなみに公助とは、公的扶助の生活保護であるが、生活保護が最後のセーフティーネットといわれる所以は、その審議会勧告に、公助とは最後の施策と書かれており、そこからきている、のであろう。
本書は、社会保障を通じたケインズ経済政策を、そんな言葉を使わずに書いています。
素直な私の感想を述べると、日本の社会保障はすごいんだぜトーンが鼻につく以外は、社会保障の基礎知識が身につき、役立つ本です。
読書期間 2018/02/26〜28