読書の記録38 不況は人災です 松尾匡 著 2017/12/29
こんにちは、50にしてADHDの診断を下されたひでひでです。
読書の記録38です。 ===================================
本書は、平成不況の真因は、度重なる自民党政権の政策であることをマクロ経済学の基礎知識でわかりやすく説明した痛快エッセイです。
そして、その不況の拍車に追い打ちをかけているのが、日本の左派政党と呼ばれる社民党や共産党の欧州左翼政党の反緊縮と遠く隔たりすぎた経済に対する認識である、ということである。欧州左翼は完全雇用を全面に出しますが、日本の左派といわれる政党は完全雇用を口にしなくなった、ということと、欧州左翼政党は完全雇用のために中央銀行の金融緩和を率先するが、日本の左派政党は中央銀行の独立性が損なわれるからしてはいけない、というその左派の認識が不況に追い打ちをかけているのだ。
そして、不況が抜け出ることができない根本原因はケインズの概念「流動性の罠」にはまったことであり、そのことは、カール・マルクスも指摘しているのである。
ほかにバブルの原因や、今後の景気回復策を述べている。
景気回復策は、遠い将来は消費税10%は決まっているが、一旦、ゼロにしてしまい、いわば消費税前の駆け込み需要を喚起できる、ことだと述べている。
景気回復策では奇想天外な策を述べる著者は、一方ではマルクス経済学に通じており、
の著者でもある。
現実的に物事を思考したい人向けです。
読書期間2017/12/28~29